推測統計学

授業概要

2年次の全学教育科目の「数理統計学」で、数理統計学の基礎(の基礎)を学んだ。そこでは、統計的手法についての基本的考え方の解説と基本的手法の使い方の紹介が中心で、言うなれば「広く浅い」知識の習得が目的だった。これに対して、この「推測統計学」では、「統計的手法を用いる際に注意すべきこと」および「統計的仮説検定」について、より深い理論的考察を行う。 まず、統計データに対する誤った解釈の例を紹介し、統計的手法を用いる際に注意すべき諸問題について論じる。次に、確率変数と確率分布に関する簡単な復習を行い、しかる後に、「仮説検定論」を次のような観点から解説する。 (1)統計的仮説検定の基本的考え方。 (2)具体的な検定手法がどのようにして導かれたのか。 (3)与えられた検定問題に対して、どのような手法を用いるべきか。

全体の教育目標

この講義により、全学教育の「数理統計学」の授業で学んだ諸手法の背後にある理論を、より深く理解できるようになることが期待される。また、この講義により、将来、授業でも習わず教科書にものっていないような新たな統計的仮説検定問題に出会った時に、どのような手法を用いたらよいかを考えるヒントが得られる、すなわち、「応用力」を身につけることができるはずである。これらが目標である。