研究室HP

研究内容について教えてください

生物進化、脳情報処理、人のあいまいな処理のような、自然や生物等にヒントを得た最適化、学習、ファジィ処理等を中心とする「知能情報」とか「計算知能」と呼ばれる研究をしています。身の回りの多くの商品やシステム、例えばN700系新幹線の形状設計にも使われているんですよ。この技術を使うと、人間よりも早く良い設計ができます。では、「可愛い」ロボットの動きの設計、聴こえのよい補聴器調整、私好みの音色合成はどうでしょう?人間がどう感じるかがすべてで、善し悪しが計測できないコンピュータには無理です。しかし人間だけでの設計・調整も困難です。現在、人間の知能とコンピュータを協調的に用いる「人間要素を取り込む計算知能」を掲げ、好みに合うような最適化設計をしたり、逆に、最適化したその人を解析したりする研究をしています。

学生時代はどのようなことをしていましたか?

当然工学部だろうが音楽も捨て難し…という多感な時に見つけた九州芸工大時代の音響設計学科に、これだ!と入学しました。1年次から音楽研究室に出入りして、高校からの「春の祭典」の楽曲分析本の翻訳、和声学の個人レッスン、オケでのチェロ、などをしていました。私は高校の時から研究職志向でした。研究成果が次々と他の研究者に影響を与え、池に投じた石の波紋が如く世の中に広がり人類に役立つ、ことに大きな意義を感じていたんです。これは今も変わらない職業感でありやりがいです。学生時代は、新知識獲得、研究、学会参加が楽しかったですよ、授業の実験と違って、小さな実験結果でも「世界で最初に自分が得た結果」ですからね、半年程色々考えて突如浮かんだ独自アイデアが修士研究で、指導教官と連名の特許出願もしました。研究にハマった状態だった、というのが想像できるでしょう?

芸術情報設計学科で学ぶ人へのメッセージ

単位や卒業のために仕方なく勉強するって、時間が勿体なくありませんか?新しいことを知る・見つけることがワクワクする面白いことなんだ、と学生時代に体験できれば、今後の人生に影響を与えるので、ぜひもっと知的好奇心を持ってもらいたいですね。芸術工学部で学ぶ最大の特長は、幅広い分野の授業を受けることで、異分野・新分野への抵抗が少なくなる点です。私が工学技術をアートに応用し心理実験評価することに抵抗がないのは、昔授業でやったことがあるからです。これは卒業生としての体験から自信を持って言えます。だから偏った履修をする学生に芸術工学士号を出しては世間を偽ることになるのではないか、とすら思っています。