研究室HP

研究内容について教えてください

“生命とは何か”という問題にどのように答えたらいいのか知りたくて研究をしています。特に生命現象の中でもリズム現象に興味を持っていて、具体的には体内時計の研究をしています。試験管の中に体内時計を作って、それを調べたり操作したりしています。生物というと暗記科目のイメージですが、物理の知識や計算機シミュレーションを動員して研究するというスタイルが普通の生物学者と違うところです。

大学教員になったきっかけを教えてください

学部時代は、工学、特に情報系を選びました。私の高校時代にインターネットが日本に普及して、情報系がその頃最も最先端という感じがしたからです。でも周りに自分よりはるかにプログラミングが得意で、計算機の仕組みに詳しい友達がごろごろいたんですね。劣等感の中で、自分には何ができて何に関心があるのか1から考えさせられました。その時に、生命の問題に子供の頃から関心があることにあるとき気づいて、生物学と情報科学の問題を修士時代から研究しはじめました。修士時代に企業への就職も考えたことはあります。でも博士課程に進んで、体内時計研究にくるってしまい、今でもまだくるっています(笑)

どのような授業を担当されていますか?

“生物らしさとは何か”ついて数学を使って知ることを目的とした『人工生命デザイン論』という授業を3年時に開講します。それからプログラミング基礎も担当します。プログラミング嫌いを作らないようにしたいですね(笑)

芸術情報設計学科で学ぶ人へメッセージ

芸情の学生さんは自分がやりたいと思うことがあってそれに向かって行動している人がすごく多いので、迷っていた自分の学生時代と違って偉いなぁと眺めています。ですが、逆に自分はこうだと早々に決めつけると息苦しい時もあるかもしれませんね。重要なのはバランスで、手を動かすことや目標を見定めることと、一方で新しいことを探し続けることの両方をおこなって、広い人生の可能性から納得できる答えを一生探し続けるしかないのでは、というのが私の得た経験則です。自分をだまして進路を決めた後の苦痛に比べると、新しい分野に挑戦するための努力なんて苦じゃないですよ(笑)
あとはサイエンスをやる研究者として、芸情の学生さんに観察する事の大事さを伝えられるといいなと思っています。
自分の意見を差し挟まず虚心坦懐に観察して、ありのままに事実をとらえる能力は、科学だけでなく芸術やデザインの分野で、深く何かを究める時に役に立つだろうと思います。