研究室HP

研究内容について教えてください

僕はほんとは建築屋ですけれど、この学科を作ったときに自分の新しい研究テーマを作りました。それは、地域社会と芸術コンテンツを繋ぐことです。専門的な言い方をするとアートマネジメントとかアウトリーチをもっぱらやっています。

学生時代はどのようなことをしていましたか?

九大の工学部の建築学科に入学して、卒業した後も大学院は東京芸術大学の大学院の美術研究科にいって少し目が覚めました。「お、これまずいなあそろそろ専門的な勉強しないと全然役に立たない人間になるぞ」って思いました。さらに大学院で東大に、都合7年間行ってから、建築の研究者になっていったんですね。だから普通の研究者よりは5年くらい遅い。そのせいか急いで何かをしなくちゃいけないとは思わないし、建築でなければならないとは全然思わないですよ。

国内外のいろんな学生を見てきて、芸情生はどう思いますか?

世の中ってもっと荒波なんですよね。でも、芸工のキャンパス内で毎日会う人の数ってたかだか知れていますよね。これが世界だと思う怖さがある。
僕は研究室の学生には「畏れる」ってことを経験しなさいってことを言っています。畏れれば畏れるほど自分の相対的な価値とか魅力とか本質が分かると思うんですよ。でも芸工生はどうしても同質な、同じような人とばっかり4年間過ごしてしまってると思うんですよ。それが芸工の一番のデメリットだと思っているんですよ。

芸術情報設計学科で学ぶ人へのメッセージ

芸術情報設計学科っていうのは門戸が広くて、ありとあらゆることに向き合って生きてほしいなあってこの学科を作ったんだけども、だとしたら、エネルギーの出し惜しみだけはやってほしくない。学生の中にはエネルギー出しちゃったらもうなくなっちゃうじゃないですか、枯渇するじゃないですか、しんどいじゃないですか、って思う人もいる。そうじゃないんだな。人間っていうのはすごいんだよ。出したエネルギー、使ったエネルギーは必ず再生産できる。これを信じて生きるしかないような気がするんですよね。