芸術文化環境論

授業概要

長年、対話型授業を標榜している。必要に応じ多士済々なゲストをお招きする。また教室での授業に加え学外演習が重要であり、多彩な芸術文化の創造現場や情報発信の様子をサーベイし、状況の解析と評価を進め、これからの芸術文化の創造と振興に必要な環境整備のあり方を包括的に考えていく。 毎回の授業は基礎テーマと探求テーマの二本立てから構成される。基礎テーマでは「生活の芸術化」と「文化資源」概念を巡る哲学と思想を論じる。探求テーマは多彩である。コンサート、展覧会、舞台芸術、アートフェスティバル、パブリックアート、アウトリーチ(美術館普及活動)、参加型ワークショップ、アーティスト・イン・レジデンス、芸術教育、芸術を生かしたまちづくり、エコミュージアム、放送番組制作、等をめぐる多彩なゲスト(芸術文化創造活動の実践者)を招き現場の出来事を紹介していただく。こうしたゲスト講師陣が望むのは受講学生との対話であり、意欲的な参加を期待する。

全体の教育目標

文化的多元主義の時代、今や芸術やデザインの力は、教育・医療・福祉・情報サービスなどの幅広い分野に大きな影響を与えている。高度情報化社会の私達は世界的な視野で芸術文化創造活動への関心と参画の意欲を生み出している。芸術文化を暮らしの中に活かしながら「生活の芸術化」への指向もかつてないほどの様相を見せている。このような時代にあって私たちの芸術文化環境はどのように形成されていくのだろうか。本授業がめざす課題はここにある。 そのため、まず生活の芸術化に関する理念と実践の歴史的形成過程を跡づける。身近な問題から芸術文化環境を考える動機付けを行う。その上で現代における芸術文化が生まれる場を空間的・時間的・意味論的に探求し、あるべき芸術文化と社会の結びかたを検討していく。